Healthcare Professionals > Oncotype DX Breast Recurrence Score

実証された化学療法効果の情報を、すべての患者さんに


 注)オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムは、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査と日本向けに開発したソフトウエアを組み合わせたプログラム医療機器です。ここでは、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査について概説します。


オンコタイプDX乳がん再発スコア検査は、化学療法の効果を予測することで化学療法の治療方針決定の指針として役立つよう開発されました。本検査は、臨床病理学的因子とは独立した腫瘍の生物学的特性を明らかにすることにより、ホルモン受容体陽性、HER2陰性の早期乳がん患者さんのための治療方針決定を、化学療法の効果の推定に基づくものから実証に基づくものへと変えていきます。

 

治療方針決定の指針として役立つ効果予測因子 1-2,4,6,12-14

効果予測マーカーは、治療方針決定に役立つ情報を提供し、予後予測因子からの外挿を避けることができます6。効果予測マーカーであるエストロゲン受容体およびHER2の発現状況は、それぞれホルモン療法およびトラスツズマブに反応する患者さんを特定するものです。それに対して再発スコア結果は、腫瘍が化学療法に反応する可能性があるかどうかという情報を提供します。NSABP B-20試験およびSWOG 8814試験は再発スコア結果の効果予測的価値を確立し、TAILORx試験は化学療法の効果の推定を精密化して、以下の2つの患者さんのグループを特定しました1-3,7-11

  1. 内分泌療法に化学療法を追加しても上乗せ効果が得られない、多数の早期乳がん患者さん
  2. 内分泌療法に化学療法を追加すれば実質的な上乗せ効果が得られる可能性が高い、再発スコア結果が26~100の患者さん

治療方針決定に役立つ情報を提供する効果予測因子1-2,4,6,12-14

 

レベル1のエビデンス
 
 
治療方針決定に役立つ情報を提供する効果予測因子

 

化学療法の効果予測に基づいてリンパ節転移陰性の患者さんを2つのグループに識別するオンコタイプDX乳がん再発スコア検査1-3,7-11

 
化学療法の効果予測に基づいてリンパ節転移陰性の患者さんを2つのグループに識別するオンコタイプDX乳がん再発スコア検査
*ホルモン受容体陽性、HER2陰性の早期浸潤性乳がん
a 内分泌療法に化学療法を追加しても上乗せ効果なし
b 内分泌療法に化学療法を追加すると実質的な上乗せ効果あり

予後予測検査と効果予測検査の違いについてもっと知る

 

予後予測因子単独では治療方針決定の精密な指針としては不十分2,5,15-20

実臨床における治療方針決定は、しばしば腫瘍径やグレードのような予後予測因子に基づきます2。しかしながら、そのような臨床病理学的因子は、予後予測的ではあるものの、化学療法の効果を予測できることは実証されていません2,5,15。さらに、複数の試験により、臨床病理学的因子から再発スコア結果を予測することはできないことが確認されています2,16-20

TAILORx試験において臨床病理学的因子は再発スコア結果を予測しませんでした2

 

TAILORx試験において臨床病理学的因子は再発スコア結果を予測しませんでした
a 数値が不明の患者さんは解析から除外
b 臨床的低リスク:
腫瘍径≤3 cm かつ グレード 1;
腫瘍径≤2 cm かつ グレード 2;
腫瘍径≤1 cm かつ グレード 3
臨床的高リスク:臨床的低リスクに該当しないすべての症例

実臨床において臨床病理学的因子単独では再発スコア結果の予測にならない16

 

実臨床において臨床病理学的因子単独では再発スコア結果の予測にならない

 

b 臨床的低リスク:
N0、T ≤3 cm かつ グレード 1
N0、T ≤2 cm かつ グレード 2
N0、T ≤1 cm かつ グレード 3
N1、T ≤2 cm かつ グレード 1
臨床的高リスク:臨床的低リスクに該当しないすべての症例

 

また、これらの臨床病理学的因子のみに頼ることは、医師の治療方針決定の不確かさにつながることが示されました。最近の症例研究では、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査が、自身が勧める治療法に対する医師の自信を高めることが示されています17

 

臨床病理学的因子のみに基づく治療方針決定の不確かさ17

臨床病理学的因子のみに基づく治療方針決定の不確かさ

 

化学療法による過剰治療および過少治療のリスクを減らすことができるオンコタイプDX乳がん再発スコア検査2,18

ホルモン受容体陽性、HER2陰性、リンパ節転移陰性の早期乳がん患者さんにとってのオンコタイプDX乳がん再発スコア検査の価値は、臨床病理学的因子のみを治療方針決定の指針として使用した場合に過剰治療または過少治療のリスクが生じる患者さんの特定にオンコタイプDX乳がん再発スコア検査が役立つことを示したTAILORx試験のデータによって裏付けられています2,18。この化学療法による過剰治療または過少治療のリスクを低減できる可能性は、医師がすべての臨床病理学的因子を考慮に入れた、世界中の多くの意思決定への影響試験によって確認されています2,18-21

過剰治療および過少治療のリスクを低減するオンコタイプDX乳がん再発スコア検査2,18

過剰治療および過少治療のリスクを低減するオンコタイプDX乳がん再発スコア検査
臨床的低リスク:腫瘍の大きさ≤ 3 cm かつ グレード 1;腫瘍の大きさ≤ 2 cm かつ グレード 2;腫瘍の大きさ≤ 1 cm かつ グレード 3
臨床的高リスク:臨床的低リスクに該当しないすべての症例
b:術後化学療法が臨床的リスクに基づいて処方されたと仮定した場合

TAILORx試験が示唆した過剰治療および過少治療を低減できる可能性は複数の意思決定影響試験により確認されています2,19-21

 

TAILORx試験が示唆した過剰治療および過少治療を低減できる可能性は複数の意思決定影響試験により確認されています

 

a 当初は臨床病理学的因子に基づいて化学療法-ホルモン療法を勧められたが、その後、再発スコア結果に基づいてホルモン療法単独に治療方針が変更された患者さんの割合(%)
b 当初は臨床病理学的因子に基づいてホルモン療法を勧められたが、その後、再発スコア結果に基づいて化学療法-ホルモン療法に治療方針が変更された患者さんの割合(%)
c 数値が不明の患者さんは解析から除外

複数の国際ガイドラインおよび医療技術評価機関が、検査するべき患者さんに関する勧告を提示22-26

 

複数の国際ガイドライン(NCCN、ザンクトガレン、ASCO22-24および医療技術評価機関(IQWiG、NICE)25-26が、臨床での治療方針の決定におけるオンコタイプDX乳がん再発スコア検査の価値を認めています。また、これらのガイドラインは検査するべき患者さんに関するガイダンスも提供しています。NCCNガイドラインは、腫瘍径が0.5 cm超でN0の閉経前および閉経後のすべての患者さん、並びにN1(リンパ節転移1~3個)で閉経後のすべての患者さんでは検査を強く考慮することを推奨しており22、ドイツの医療技術評価機関であるIQWiGは、臨床的リスク評価では治療法が不確定なすべてのN0患者さんに検査を推奨しています25

複数の国際ガイドラインおよび医療技術評価機関が、検査するべき患者さんに関する勧告を提示

aザンクトガレン国際専門家コンセンサスパネルの大多数が投票したことによる

お問い合わせ